侵入者−1
2004年11月5日深夜2時、街は眠りについている。
月齢15の下弦の月が南空に浮かんでいた。
遠く潮騒のようにさざめく車の音。
街灯とコンビニからこぼれる照明だけが路地を照らす。
暗闇の内に佇むコンクリートの固まりを迂回し、
静まり返った住宅地を足音もなく彷徨う。
俺は以前から狙いを付けていたマンションを見上げる。
ファミリータイプの賃貸マンションは、
この時間に起きている者もなく寝静まっていた。
目標は2階の端の部屋だ。
いつものごとくベランダの窓は、半分ほど開け放たれていた。
闇夜に紛れ、身軽な猫よろしく俺はコンクリート塀の上に身を移す。
2階の端部屋は、ここから簡単に侵入できる。
忍び返しも取り付けないとは不用心この上ないことだ。
俺は身を躍らせ、ベランダへと飛び移った。
ほとんど物音もさせず侵入に成功する。
か弱い月明かりが部屋の中を朧気に照らしている。
用心深く中を覗き込むと、当然のことながらリビングは無人だった。
テレビやビデオなど家電が発する微弱な光りだけが浮かび上がっている。
サッシの溝に、準備してあったボトルから水を注ぎ入れる。
音をさせないように注意しながら網戸を開く。
床に跡を残すといけないので靴を脱いだ。
音を立てずに抜き足差し足でリビングを泳ぐ。
2人は同じベッドで寝ているのだろうか。
ベッドルームは奥のようだ。
月齢15の下弦の月が南空に浮かんでいた。
遠く潮騒のようにさざめく車の音。
街灯とコンビニからこぼれる照明だけが路地を照らす。
暗闇の内に佇むコンクリートの固まりを迂回し、
静まり返った住宅地を足音もなく彷徨う。
俺は以前から狙いを付けていたマンションを見上げる。
ファミリータイプの賃貸マンションは、
この時間に起きている者もなく寝静まっていた。
目標は2階の端の部屋だ。
いつものごとくベランダの窓は、半分ほど開け放たれていた。
闇夜に紛れ、身軽な猫よろしく俺はコンクリート塀の上に身を移す。
2階の端部屋は、ここから簡単に侵入できる。
忍び返しも取り付けないとは不用心この上ないことだ。
俺は身を躍らせ、ベランダへと飛び移った。
ほとんど物音もさせず侵入に成功する。
か弱い月明かりが部屋の中を朧気に照らしている。
用心深く中を覗き込むと、当然のことながらリビングは無人だった。
テレビやビデオなど家電が発する微弱な光りだけが浮かび上がっている。
サッシの溝に、準備してあったボトルから水を注ぎ入れる。
音をさせないように注意しながら網戸を開く。
床に跡を残すといけないので靴を脱いだ。
音を立てずに抜き足差し足でリビングを泳ぐ。
2人は同じベッドで寝ているのだろうか。
ベッドルームは奥のようだ。
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