彼に続いてドアから入ってきた男は、信州トラベルの店員だった。

「おい。どうなってんだ。これを外すように言ってくれ。」
「何のことです?」
「何のって。お前達グルか?」
「人聞き悪いなぁ。予定調和ってヤツですよ。」
俺は鎖をガチャガチャ言わせながら無駄な戦いを挑むしかないのか。
自由のきかない両手両足をなんとか引き寄せて立ち上がると
彼らに近づこうとしたが、首につながれた鎖は反対側の壁につながれており
俺は勢い余ってしたたかにケツを床に打ち付けた。

「無駄だって言ってるでしょう?往生際が悪いなぁ。」
「これからは俺達が飼ってあげますからご心配なく。
 ただし、ご主人様に従順にしていればの話しだけどね。」
「そうそう。俺達の言うとおりにしていれば可愛がってあげますよ。」
二人は楽しそうにお互いの顔を眺めて大笑いしている。

「まずは綺麗にしなきゃね。」
彼は部屋の隅からホースを持ち出すと勢いよく水を俺の身体に浴びせる。
そして、店員はモップを持ち出すと床を磨くように俺の身体を擦り始めた。

「やめろ!何しやがんだ。」
「やかましい。今言ったこと覚えてないのか?
 俺達に逆らえばこのまま放置するぞ。ミイラになるまでな。」
俺は、全身から血が引くのを感じた。
マジなのかこいつら。
とりあえず従うしかないのか。
俺は隙を見つけて逃げ出す時まで我慢するしかないのか。

「そうそう。大人しくしていろ。
 そうしたら可愛がってやるからよ。ペットとしてな。」
俺はモップで全身を擦られるままに耐えるしかなかった。

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