忍び寄る影−14
2004年8月11日「マエノ、アナカラ、マラト、タマヲ、ダシテオカナケレバ、ダメダ。」
なるほど、そう云う構造になっているんだ。
剛は、従順に穴から自分自身と玉を出し、ボロボロの短パンとTシャツを着た。
いつものように階段を駆け下り、暗い歩道を選んで歩く。
「オオドオリデ、タクシーヲ、ヒロイ、
テンノウジクノ、ヤマダヤマコウエンヘ、ムカエ。
ツイタコロニ、レンラクスル。」
この格好でタクシーを拾うのか?
しかし、先週のファミレスよりはマシか。
ちょうど空車のタクシーが通りかかったので、剛は手を挙げた。
タクシーの運転手が笑顔で「ありがとうございます」と振り向きながら微笑みかけたが、
途中でその笑顔が引きつった。
「どっどちらまで?」
運転手は前を見据え、走り始めた。時折、バックミラーで剛を盗み見ている。
「山田山公園までお願いします。」
心持ち声がうわずってしまった。
ちらちらとバックミラー越しの視線が気になったが、山田山公園に到着した。
料金を払い、公園に入ろうとしたところで、携帯が鳴った。
恐ろしいほどのタイミングの良さだ。
「デハ、ソノママ、ススンデ、テニスコートマデ、イケ。」
深夜でもあり、ほとんど人影はなかった。公園内はうす暗くよく分からない。
確かハッテン公園として有名な筈だ。
ということは、ちらちらする人影は同類なのだろうか。
テニスコートは金網で囲まれていた。
なるほど、そう云う構造になっているんだ。
剛は、従順に穴から自分自身と玉を出し、ボロボロの短パンとTシャツを着た。
いつものように階段を駆け下り、暗い歩道を選んで歩く。
「オオドオリデ、タクシーヲ、ヒロイ、
テンノウジクノ、ヤマダヤマコウエンヘ、ムカエ。
ツイタコロニ、レンラクスル。」
この格好でタクシーを拾うのか?
しかし、先週のファミレスよりはマシか。
ちょうど空車のタクシーが通りかかったので、剛は手を挙げた。
タクシーの運転手が笑顔で「ありがとうございます」と振り向きながら微笑みかけたが、
途中でその笑顔が引きつった。
「どっどちらまで?」
運転手は前を見据え、走り始めた。時折、バックミラーで剛を盗み見ている。
「山田山公園までお願いします。」
心持ち声がうわずってしまった。
ちらちらとバックミラー越しの視線が気になったが、山田山公園に到着した。
料金を払い、公園に入ろうとしたところで、携帯が鳴った。
恐ろしいほどのタイミングの良さだ。
「デハ、ソノママ、ススンデ、テニスコートマデ、イケ。」
深夜でもあり、ほとんど人影はなかった。公園内はうす暗くよく分からない。
確かハッテン公園として有名な筈だ。
ということは、ちらちらする人影は同類なのだろうか。
テニスコートは金網で囲まれていた。
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