忍び寄る影−7

2004年8月4日
ケツを突き出し、穴が見えんばかりの格好で缶を取り出した。
顔が真っ赤に染まっているのは、頭を足下近くまで下げたことだけが原因ではない。

缶コーヒーを鷲掴みにして、叩きつけるようにキャッシャーのカウンターに置くと、
準備しておいた105円を同時に突きつける。
ビニール袋に入れようとする店員を制し、そのまま店を飛び出した。
代金を渡すときに目に入った、店員の好奇と蔑みに満ちた目が頭にこびりついていた。

店を後にした剛は、部屋まで全速力で走って帰った。
部屋に入り、鍵を閉めてホッとしたところで、けたたましく携帯が鳴る。
飛び上がらんばかりに驚きつつ、通話ボタンを押した。

「ドウダ?コウフンシタカネ?ハハハ。」
「こんな恥ずかしい思いをしたのは、生まれて初めてだ。
 もう勘弁してくれ。お願いだ。」
「ソウカナ?ジブンノ、マラニ、キイテミルンダナ。
 マタ、レンラクスル。」
プツンと通話が途切れた。

少し冷静になって、男に言われたことを反芻してみる。
そして、自分のマラの変化に気づいて、彼は愕然とした。
今の今まで気が付かなかったのだが、
明らかに剛のマラは反応し、痛いほど膨張していたのだ。

「俺は、こんなこと。。。こんなことに興奮する変態だったのか。。。
 そっそんな筈は。。。」    

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