権力の犬−9

2004年3月4日
その時、表の方で自転車を止める音がした。
俺達はドアの横に陣取り、もう1人の巡査が入ってくるのを待った。
手には手錠とガムテープを持って。
最悪のことも考えて、勝は催涙スプレーを構えていた。

 「ただいま戻りました。」
表で声がする。
 「あれ?中西巡査ぁ?」
声がドアに近づいてくる。
ドアを引き開けた巡査はその場に立ちすくむ。
 「どうした?中西!」

飛び込んできた巡査の身体を突き飛ばす。
不意にタックルを受けた巡査は、不甲斐なく倒れる。
馬乗りになって後ろ手に手錠を嵌めた。
同時に勝が脚をガムテープで固定する。
俺はドアを閉め、2人目のカモが引っかかったことに満足して、
1人ほくそ笑んだ。

 「何だ?何をする?」
「おんなじこと言ってるんじゃねぇよぉ!」
俺は2人目の巡査のケツを蹴り上げた。

 「こんな事をしてただで済むと思っているのか?
 すぐに自由にしなさい!」
「そんな格好でドスを利かせても説得力がないんだよ。
 あんたと相棒は囚われの身なんだぜ!」
 「おい!中西、大丈夫か?その格好は。。。」
初めて中西巡査の格好に気が付いたらしい。

間抜けなヤツだ。おまえも同じ運命になるんだよ!

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