溺れる魚−45

2004年1月7日
1時間ほど前、部屋まで運ばれた食事を終えた。
ソファの下に足を突っ込んで腹筋をしていたとき、ノックがあった。
例の黒服の2人だ。
彼らに導かれて部屋を後にする。
広い屋敷を移動すると今どこにいるのか分からなくなってしまう。

たどり着いた部屋は、2階の一番奥の部屋だった。
黒服がノックすると、返事があった。
中にはいると、ソファに腰掛けている一樹さんがいた。
一樹さんもバスローブ姿でくつろいでいたようだ。
一樹さんが優雅に前のソファを示す。
黒服の男達は、ドアの両側に立った。
俺はおずおずと一樹さんの前のソファに腰を下ろした。

バスローブの隙間から一樹さんの肌が見えた。
褐色に焼けた逞しい胸筋が除く。
瞬間的に俺のマラが反応した。
バスローブの前がテントを張るのを隠すために、俺は不自然な姿勢で座った。
一樹さんが、そんな俺を見て微笑む。

 「夜が待ち遠しかったかい?」
いつにも増して柔らかい声が降ってくる。
俺は顔を赤らめながら「はい」と答えた。
多くの男達に辱められ、嬲られ続け、恥ずかしさを忘れた筈なのに、
一樹さんの前で、俺は居たたまれなくなる。
自分の薄汚れた姿が恥ずかしく、一樹さんの美しい眼差しに晒されただけで、
俺は赤くなり俯いてしまう。

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