溺れる魚−6

2003年11月28日
俺は研究室にいることも忘れて、己の身体をチェックしていた。
ドアのノックに気が付いて我に返った。

 「準備はいいかな?」
「あの。着るものはこれだけですか?」
俺は不思議な素材のビキニを指さす。

 「ああ。筋肉の動きを確認しないといけないのでね。
 こちらへ。」
博士は研究室へと向かった。
俺が部屋でもじもじしていると、博士が振り向いて言った。

 「恥ずかしがることはないだろう?そんな見事な身体をしていて。
 見る者を羨ましがらせこそすれ、恥ずべきとこは何もない筈だ。
 それに、我々は研究者であり、医者なのだよ。
 病院に行って服を脱ぐのを恥ずかしがるかい?」
分かったような分からないような理屈だ。

俺はその格好で渋々研究室へ足を踏み入れた。
中央の機械に囲まれたスペースに立たされる。
そして、全身にシール状の金属端子を取り付けられた。
筋肉の動きや発汗、血流、体温などをモニターする端子なのだそうだ。
それもハイテクなことにコードは一つもない。
さらに、恥ずかしいことを要求された。

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