溺れる魚−5

2003年11月27日
 「では、こちらへ。」
博士が隣の部屋に続くドアを開いた。
俺は言われるままに隣室へ入った。
驚いたことに、そこは一流ホテルのスイートルームのような部屋だった。

 「2週間、君が過ごす部屋だ。自由に使ってくれたまえ。
 ただし、実験が終了する2週間後まで外へは出られない。
 外の空気が吸いたくなったら言ってくれ。中庭に案内しよう。
 何か欲しいものがあれば、私に言ってくれればすぐに用意しよう。
 まずは、服を脱いでこれに着替えるように。」
それだけを一気に話すと、彼はさっさと部屋を後にした。

手渡されたものはと言えば、ナイロンの様な不思議な肌触りの下着だった。
ほとんど素っ裸じゃん。。。
俺は躊躇したが、ここまで来て我が儘も言えないし、言えるような雰囲気でもなかった。

着ていたものを脱ぎ、ベッドに放り投げる。
素っ裸になって不思議な素材のビキニを履いた。
半透明のそれは、ほとんど何も隠さない。
俺の陰部がはっきり映っていた。

壁の鏡に映して全身を眺めてみる。
鍛え抜かれた若者の裸体が映っていた。
自分で言うのもなんだが、ほれぼれするような見事な身体だ。
長い手足にもむだ毛のない少年の様な肌。
厚い大胸筋と割れた腹筋。
くびれた腰から臀部、太腿、脹ら脛、つま先まで流れるようなライン。
当然、むだ肉など一欠片もない。
完璧なスタイルだな。

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