「どうするもこうするもあるか。寄こせ。」
近づいてくる佐田OBに取り上げられないようにデジカメを背中にまわした。
「てめぇ。」
佐田OBが俺の胸ぐらを掴む。

 「これだけじゃないですよ。コレクションは。前にもこっそり隠し撮りしましたから。」
「なんだと?」
佐田OBの顔が歪んだ。今にも殴りかかってきそうだった。

 「プリントアウトして家と会社に送ってあげましょうか?」
その瞬間、佐田OBのパンチが俺の頬を打った。
俺は吹っ飛びながらも優勢を崩さない。

 「痛ぇな。住所も電話番号も分かってるんだからいつでも送れますよ。」
佐田OBの顔が蒼白になった。

「何が狙いだ?俺を脅してどうするつもりだ?」
 「もう2度と先輩と会わないでください。それが条件です。」
「何だぁ?おまえ、こいつに惚れてるのか?
 1回生の分際で幹部を犯ろうってのか?」
 「それは、あんたに関係ない。どうします?性処理に困るから突っぱねますか?」
「冗談じゃねぇ。ケツマン野郎はこいつだけじゃねぇからな。
 おまえにやるのは構わねぇが、
 1回生の分際でOBを脅してただで済むと思ってるのか?」
 「そりゃ済むでしょ。男のケツにマラ突っ込んでる写真をばらまかれるのは困るでしょ?
 奥さんに知れたら離婚でしょうし、会社に知れたらクビかもしれませんよ。」
佐田OBの威勢が尻すぼみになった。

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