スリル−22

2003年10月1日
あれから1週間が経ったが、俺は立ち直れないでいた。
部屋の電気も点けずに、カーテンを閉め切って引き籠もり状態だ。
2人の男に犯られまくってしばらくは、ケツが腫れ上がり、座っているのも苦痛だった。
上下の穴にマラを突っ込まれて、ザーメンを注ぎ込まれた記憶が、俺を苛み、毎日のように悪夢にうなされた。

身体の痛みは去っても、心の痛みは晴れず、陰々滅々とした日々を送っている。
傷つけられたプライドは、いくら繕うとしても塞がらず、血の涙を流し続ける。

そうして残った胸の疼きは、徐々に黒い塊として膨張し、少しずつ悪鬼の形相を形成し始めていた。
真っ暗な部屋の片隅で膝を抱いて考えることは、「復讐」へと傾斜していく。
どうやってあの2人に復讐するか。。。
警察に届けることも考えなかった訳ではないが、その程度の制裁では俺の気持ちが収まらない。

黒い炎を胸に秘め、素っ裸になると浴室へ飛び込んだ。
シャワーを全開にして熱い水滴を全身に浴びる。
数日分の汗と汚れが湯に溶けて流れていく。

何度シャワーを浴びても、俺の身体からは悪臭が匂い立つ。
男達のザーメンの悪臭がこびり付いて取れないような気がした。
ボディソープをたっぷり付けたタオルで擦っても、
口臭予防の液体でうがいをしても、ケツに湯を注ぎ込んで洗ってみても。。。
本当の悪臭ではないのだからどれほど洗ってみても無駄なのは分かっている。
しかし、熱いシャワーを浴びて、体中を洗わずにはいられなかった。
ボディソープの香りとは別に、あの臭いが俺を苛む。

俺の決意は固まった。
胸の奥で流れ続ける血の涙を止めない限り、際限がないことなのだ。

蛇口を捻り湯を止めた。
身体を丁寧にバスタオルでぬぐい、ジーンズとダンガリーシャツを身につける。

久しぶりの外出だった。
向かう先はあのスーパーだ。

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