スリル−6

2003年9月15日
 「分かったらさっさとしゃぶれよ。」
彼は俺の口元に下腹部を突き出した。
俺は顔を背け、拒否を示した。

 「強がるじゃねぇか。痛い思いをしたい訳だな。」
いきなりビンタを張られた。
突然のことで目の前に火花が散った。
俺は頬に手をあて彼を睨み上げた。

 「嫌だと言うのなら仕方ない。警察に連絡するまでだ。」
彼は、席に戻り、素早く服を着ると、
 「服を着ても良いよ。」
感情を殺した声で言い捨てた。
そして、受話器を握り、ゆっくりとこちらを見た。
プッシュボタンを押し始める。

「待って。待って下さい。」
俺は必死で懇願した。
俺の言葉を待っていたかのように電話のフックを押し下げる。
コンドームを万引きしたとこで警察に突き出されるなんて、
恥ずかしくて耐えられない。
だからと言って男のマラをしゃぶらされるのもごめんだ。
俺はどうすればいい?

 「なら素直に俺のマラをしゃぶるんだな?」
俺の逡巡を読んだように追い打ちをかけてきた。
俺は答えられない。

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