スリル−2

2003年9月11日
 「そこに座りなさい。」

俺は倉庫のような雑然とした部屋に連れ込まれた。
小さな部屋で窓はない。
雑然と積み上げられた段ボールの他は、
スチールの机と椅子が二つあるのみだった。
その内のひとつに腰掛けた。
彼は、ドアの鍵を閉め、奥の椅子に座った。

 「とりあえず、袖に隠しているものを机の上に出して。」
俺は素直に机の上に置いた。
 「商品は売り物だから料金の支払いが必要なのは知っているでしょう?」
彼は、俺が机の上に置いたものを眺めながら言った。

 「上着も脱いで机の上に置いて。」
俺は上着を脱いで机の上に置いた。
彼は、内ポケットの中から俺の財布を、
あちこちのポケットを調べて、入っているもの全てを取りだした。
携帯、ハンカチ、車のキー。

 「じゃ。服を全て脱いで。」
「え?」
俺は驚いて聞き返した。
 「えじゃない。全て脱ぐんだ。」
「でも。。。」
 「まだ、何か隠しているかもしれないだろう?」
「もう隠してません。」
 「信用できる訳がないだろう?
 早く脱ぎなさい。」
俺は渋々、立ち上がり、シャツのボタンを外した。

 「脱いだものは机の上に置いて。」
シャツを机の上に置く。
「ズボンもですか?」
 「当然だ。」
ベルトを外し、ジーンズを脱ぐ。
ジーンズも机の上に置いた。

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