朝食兼昼食は、油麻地の廟街で取ることにした。
なんともすさまじい屋台街で、戦後の闇市のような賑わいだ。
飲茶の屋台に席をとり、食べたいものを自分で適当に持ってくる。

彼の後について見よう見まねで注文する。
席ではまず、箸と取り皿、茶碗をウーロン茶で洗う。
適当にしか洗われていないので、こうするのが常識らしい。
味は抜群。美味い美味いを連発し、皿を積み上げた。
やっぱジモピーの案内が一番だね。

食事の後は界隈をウロウロした。
カルチャーショックの連続だ。
良くこれで建っているものだと不思議になる建物、
ビルの間に渡されたロープに干された洗濯物。
建築中の建物は、なんと竹で編まれた足場で覆われている。
10階以上はあるだろう建物なのに足場が竹だけ。。。

窓から降り注ぐゴミを避け、
細い路地を右へ左へ。
迷子になったら大変だと、俺はシンチーにピッタリくっついて歩いた。

 「どう?感想は。
 これが本当の香港だよ。」
彼は悪戯っぽく微笑む。
「ひぇ〜。すげぇ〜って感じ。」
俺は肩を竦めながら答えた。

太陽は真上から強烈な日差しを撒き散らしている。
雑然としたビルの隙間から見える空は、
真っ青でどこまでの抜けるように高かった。
俺が生まれ育った街の空と同じ空だとは思えない。
繋がっているはずなのに、
雲一つなく透明な空を、悠然と鳥が舞う。

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