Night view in Hong Kong−1
2003年8月16日俺はこの空が嫌いだ。
どんよりと低くたれ込めた厚い雲が、俺を圧迫するようにのし掛かってくる。
夏の抜けたような青空とはほど遠く、鉛色の重苦しい空。
日本海を渡ってきた湿った寒風が山肌にぶつかって
白い結晶を舞わせる日も近い。
また、春を待ちわびる日々が続くのか。うんざりだ。
かつて城下町であり、帝国海軍の軍港だったこの町は、
その名残を色濃く残し、今も灰色の鉄の塊が湾を行き来する。
白いセーラー服を身にまとい、颯爽と町を歩く若者を良く見かける。
豊もそんな一人だった。
豊、今、君はどうしているのだろう?
あまりにも突然の別れが、俺をこんなにも暗澹とした気分にさせる。
あの屈託のない笑顔はどこへ行ってしまったのだろう?
あまりにも突然の別れが、俺から笑みを奪ってしまった。
俺とは違う男に甘えてみせているのだろうか?
あまりにも突然の別れが、俺を苛立たせる。
豊。。。本当に心から愛していたのに。
俺は全てが嫌になり、何もかもを捨てるように、この町を離れたかった。
身の回りのものだけをバッグに詰め込み、旅行業者に駆け込んだ。
どこでもいい。今すぐどこかへ行きたい。
幸い、キャンセルで空きのあったツアーを見つけ、その足で関西国際空港へ向かった。
明日の夜の便で、香港へ旅立つ3泊4日のツアーだ。
空港島のホテルから夜の海を眺めながら、今はいない豊を思った。
彼を忘れるために旅立つのだ。豊のことを思いだしてどうする。
鏡のような窓に映った自分にタバコの煙を吹きかけた。
明日の夜は香港だ。
どんよりと低くたれ込めた厚い雲が、俺を圧迫するようにのし掛かってくる。
夏の抜けたような青空とはほど遠く、鉛色の重苦しい空。
日本海を渡ってきた湿った寒風が山肌にぶつかって
白い結晶を舞わせる日も近い。
また、春を待ちわびる日々が続くのか。うんざりだ。
かつて城下町であり、帝国海軍の軍港だったこの町は、
その名残を色濃く残し、今も灰色の鉄の塊が湾を行き来する。
白いセーラー服を身にまとい、颯爽と町を歩く若者を良く見かける。
豊もそんな一人だった。
豊、今、君はどうしているのだろう?
あまりにも突然の別れが、俺をこんなにも暗澹とした気分にさせる。
あの屈託のない笑顔はどこへ行ってしまったのだろう?
あまりにも突然の別れが、俺から笑みを奪ってしまった。
俺とは違う男に甘えてみせているのだろうか?
あまりにも突然の別れが、俺を苛立たせる。
豊。。。本当に心から愛していたのに。
俺は全てが嫌になり、何もかもを捨てるように、この町を離れたかった。
身の回りのものだけをバッグに詰め込み、旅行業者に駆け込んだ。
どこでもいい。今すぐどこかへ行きたい。
幸い、キャンセルで空きのあったツアーを見つけ、その足で関西国際空港へ向かった。
明日の夜の便で、香港へ旅立つ3泊4日のツアーだ。
空港島のホテルから夜の海を眺めながら、今はいない豊を思った。
彼を忘れるために旅立つのだ。豊のことを思いだしてどうする。
鏡のような窓に映った自分にタバコの煙を吹きかけた。
明日の夜は香港だ。
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