Missing Link−35

2003年7月25日
ステージに、二人の中年の男が上がってくる。恰幅のよい背広姿の中年である。
人相を隠すために目から上だけの派手な仮面をかぶっている。
一人は頭がはげ上がり、一人はバーコード。
二人ともに腹を突き出した、いかにもスケベ爺の典型のような中年で、
今にも涎を垂らさんばかりに相好を崩し、暁を舐め回すように視姦している。

...本日のお客様はラッキーでございます。こんな上物を手中にできるのですから。
...それも本ステージがデビューの青年でございますよ。
...後はお客様のご自由でございますれば、制限時間1時間を存分にお使いになって、
...十分ご賞味頂けますように。

そう言うと、進行役の黒服はステージの袖へ下がって行った。

暁は全身にオイルを塗られ、ピンスポットの光の帯の中でキラキラ輝いている。
リングを嵌められたマラは、ピクピクと鎌首を振るわせつつ、
亀頭から透明な先走りをとめどなく吐き出している。

一人の中年がスラックスのベルトに手を掛け、
白いぶかぶかのブリーフとともに脱ぎ捨てた。
生白い弛んだケツには剛毛が密生している。
俺は壁際に立ってステージの上を伺っていたが、
目を覆いたくなる心境に我ながら驚いていた。

暁はこれから、あんな醜い中年二人にステージの上で犯されるのだ。
若さに溢れ、逆三角形の鍛え込まれた身体をした青年が犯されるのだ。
真っ黒に日焼けした競パンの跡、
染みひとつない弾力性のあるピンと張った肌、
短く刈り込まれた頭髪、目鼻立ちの通ったモデルのような顔立ち、
そして、下腹部に生い茂った草むらから起立する立派なマラ、
醜い中年にとっては、金で買う以外に手に入れる術はあるまい。

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