Missing Link−25

2003年7月15日
日曜日に本屋へ行くと言って出たきり、暁が戻らない。
あれからもう5日が経つ。今まで一度として連絡もなしに外泊したことなどないのに。
思いつく限りの場所には行ってみた。
知っている限りの連絡先にも電話した。
しかし、大学にも行ってないようだし、実家にも帰っていない。
友人達も最近は、見かけていないとのことだった。
一体どこに消えちまったんだ。

俺は仕事も手に付かず、早々に帰宅しては、心当たりを探してまわる。
何か手掛かりがないか暁の身の回りのものをひっくり返していると、
一枚のクシャクシャになったメモが出てきた。
住所と名前と携帯番号がメモされている。
もしやと思い藁にもすがる思いでコールする。

 「はい。もしもし。」
「あの。突然、夜分に申し訳ありません。
 私は加藤と申します。
 つかぬ事を伺いますが、島津暁をご存じないでしょうか?」
 「島津暁?」
「はい。そうです。」
 「おい。おまえ島津暁ってぇのか?」
電話の向こうでそう尋ねているのが、受話器に漏れてくる。

「あっ暁がそこにいるんですか?」
 「ああ。いるぜ。」
「電話に出してもらえませんか?」
 「どうする?」
電話の向こうで尋ねている。
 「出ないそうだ。どうする?」
「えっと。とりあえず会いたいんです。
 そちらに伺ってもいいですか?」
 「ああ。俺は構わんよ。君が暁の恋人か?」
「え?そっそうです。。。」
 「そうか。じゃぁ道順を言うから今から来るかね?」
「はい。すぐ伺います。」
俺は何がなんだか訳が分からず、受話器を置くと、
取る物もとりあえず、その男の部屋に向かった。

***

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