Buddy−27

2003年5月17日
その店はほとんど来たことがない店だった。カウンターだけの暗い店だ。
俺はバーボンのロックを頼んだ。
かなり酔っぱらっている俺を見て、バーテンが少し嫌な顔をした。

 「どうしたんだい?かなり荒れてるみたいだけど。」
隣の客が、俺の様子をみて、声をかけてきた。
俺は、勢いで事実を暴露した。
彼は、同情してくれたが、男同士はそんなものだと冷めたことも言った。
君も浮気すればいいじゃない?なんてことまで言ってのける。
俺は彼を睨み付け、そんな尻軽じゃないって啖呵を切ってやった。

よく見ると彼はなかなか良い男だった。
身長は俺よりも高く、身体はごつい筋肉質で、何よりハッキリした顔立ちのハンサム。
俺の好みには違いない。いっそのこと彼と浮気してやろうか。
「じゃぁ。今夜俺を抱いてくれますか?」
酔いに任せて俺は大胆なことを言ってしまった。

当然、いなされると思ったら簡単にOKの返事。
抱いてくれと言った俺の方が躊躇してしまう。
しかし、彼の方が乗り気で、俺の分まで精算して、店をさっさと出てしまう。
俺は慌てて彼の後を追いかけた。

「ごめんなさい。やっぱり俺には無理です。」
そんな俺を無視して、彼は俺を車に押し込んだ。

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