新入社員の憂鬱−22

2003年3月12日
地下倉庫というだけあって薄暗い感じがする。
蛍光灯は十分な数だけあるのだが、
所狭しと書類棚が並べられているため通路まで十分な光が届かない。

埃を被り、一目見て長年放置されたような倉庫だと分かる。
管理はされているようだが、ほとんど利用されているような形跡はない。
ということは、ここで何をしていても誰にも分からないと言うことか。

黴臭い陰鬱な空気のせいだけではない憂鬱な気分に襲われた。
廊下をこちらに向かう革靴の足音が聞こえる。
扉が開き、内側から鍵を掛ける音が室内に響いた。

 「待ち遠しかったぞ。高橋、どこだ?」
俺が書棚の影から姿を現すと、課長は口の端をあげた不気味な笑みを見せる。

 「さてと、今日のメニューだが。。。
 ネクタイは不要だな。とりたまえ。」
抵抗する気も起こらず素直にネクタイを引き抜いた。
課長がアタッシュから取り出したものを見て、俺は顔が歪んだ。
無言で俺に近づき、それを俺の首に嵌める。
それは犬の首輪だった。それもご丁寧に鎖まで付いている。

 「ペットに服はいらんな。
 しかし、素っ裸では面白くない。
 下だけ脱ぐんだ。」
俺は血が出そうなくらい下唇を強く噛み、課長を真っ直ぐ見つめた。

 「何だ?その反抗的な態度は?」
有無を言わせぬ強力なオーラをまとい睨み付ける。
鎖が強く引かれ、課長の前に跪く格好になる。
課長を見上げようとした拍子に、裏ビンタを食らった。

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