怪しく光る瞳−10

2002年12月31日
一年の夏合宿のときのことだ。
やはり稽古中に、先輩の突きをくらって脳しんとうでダウンしていた。

先輩は心配そうに覗き込みながら、
 「すまん。ちょっとやりすぎたな。」
頭をかきながら優しく微笑んだ。

先輩は手ぬぐいを水で濡らして俺のおでこに載せてくれた。
 「しばらく休んでろ。」
頭は痛かったが、俺はなんだか幸せだった。

稽古も終わり、しばしの休憩時間。
俺が風呂の前を通りかかったとき、三年の先輩方が入浴中のようだった。
ドキドキしながらドアの前を通過しようとしたとき、
先輩が前からやってくる。

 「おぅ太。これから風呂入るから背中流せよ。」
「えっ?」
 「えじゃない。」
「おっす。」

俺は、先輩に続いて脱衣所に入る。
 「何やってんだ。服着たまま風呂に入るつもりか?」
「おっす。」
俺は、どぎまぎしながら慌てて服を脱いだ。
先輩のたくましい裸が眩しい。
下半身が反応しそうになるのを必死に抑え込みながら、

先輩に続いて風呂場に入った。

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