続・青いうさぎ-11

2002年8月17日
「細かい話はいいからさ。中に入れてよ。」
若い男は、そう言うが早いか、ずかずかと俺の横を通り過ぎ、
リビングのソファーに腰掛ける。

「暁も掛ければ。」
かわいい顔をして意外とずうずしい。

「入れてもらうよ。」
暁と呼ばれた男が、初めて声を出す。
ハスキーな色っぽい声だ。

「まあ。一緒に掛けようぜ。正次さん。」

「なぜ。俺の名前を知ってるんだ。」
俺は、思わず慌てて、声がうわずる。

「前から知ってるよ。田所正次さん。」
いたずら者が微笑みながら、俺のフルネームを言って見せる。

「そうか。表札を見たんだな。」
俺は平静を装いながら、落ち着いて聞いた。

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