青いうさぎ−5

2002年7月23日
彼は、ロックグラスをカウンターに取り出すと、
手際よく氷を削り始める。

器用に球形に削った氷をグラスに移すと、
ジンをたっぷり注ぎマドラーで数回かき混ぜる。

スーっと俺の前に差し出すと、
奥の客のところへ歩み寄り、一言二言話しかけている。

俺は、ジンを喉に流し込む。
久しぶりのアルコールが喉を焼きながら胃に流れ込む。

ジン独特の香りが鼻に抜けて、手足の先までしびれるような快感が走る。

「ふぅ。」

思わず大きなため息が口をついて出た。
この瞬間がたまらない。

次の瞬間、今度はきつい目眩が。。。

いつの間にか正面に立っているバーテンが、
俺の顔を覗き込んでニヤっと笑った顔を
記憶の遠くの方で感じながら、
意識が透明になっていく。

両脇を誰かに支えられるようにしながら俺は記憶を失った。

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